UZのものづくり

かつて着物や洋服として存在していた布地を、別の製品に生まれ変わらせる事。それは、本来ものづくりをする時には存在しない、様々な行程をクリアして行く作業となりました。

「キモサト(キモノ里親さがし)」の活動をきっかけにスタートした、
ウズファブリックのものづくりは、そんなハードルを1つずつ超える事からはじまりました。

 洗うこと、ほどくこと。

ウズの元にやって来た着物たちは、まず職人さんの手によって洗われます。
この洗いの行程も、最初からうまくは行きませんでした。特に自然繊維である正絹(絹、シルク)をどう洗うか。はおそらくブランドを続けながら永遠に検証して行くテーマとなる事でしょう。
シミ、シワ、色移りなど、あらゆる問題が出ましたが、現在はどの段階までであれば、現代の生地として、皆様に気軽に扱っていただく事が出来るか(そこがウズファブリックの大命題でもあります)日々検証を重ねながら、販売をスタートさせる事が出来ました。

もう1つ普通の製品にはない「ほどく」という行程。これも大変なハードルの1つでした。
どうやってほどく?誰にほどいてもらう?時間はどれくらいかかるもの?ほどく箇所とほどかない箇所がある。など、出て来た問題は様々でした。
現在はパーツごとにほどかれた生地たちを、仕分け、分別し、様々な製品に生まれ変わる前の段階まで持って行くことが出来るようになりました。

デザインすること、組み合わせること。

着物の持つ独特な色合いや風合い、文様や糸づかいなど、どれもため息が出るほど素晴らしく、魅力溢れるものばかり。それゆえに扱いが難しい、馴染みにくい、そもそも着物に興味があるけど着る技術がない。そういった理由から着物から遠ざかった人は数知れないでしょう。

そこを手に取りやすく、カジュアルに、親しみやすいものにする事。扱いやすく、馴染みのあるものにする事。現代のものに合わせやすいものにする事。それらを考えて、ウズファブリックのものはデザインされています。正直、生地の特性上、洗濯機でジャブジャブ。というわけには行かないですが、そこは、お手入れも含めて楽しんで頂けるよう、物との距離感も提案したい。という心意気でものづくりに取り組んでいます。
そうして選び抜かれた生地たちは、職人たちの手によって、1枚1枚丁寧に縫製され、元来の用途や価値とはまた違った、新しく魅力的なプロダクトに生まれ変わって行きました。

パッケージすること、つたえること。

ウズファブリックの製品は、どれをとっても世界に1つの一点物しか無いのが大きな特徴です。それは何故なら、どなたかが使い終わって、ひとつ目の役割を終えた生地を原材料としているからです。そんなウズファブリックの製品を手に取ってくださった時には、やはり他の製品にはないワクワク感を演出したい。そんな想いから、そのパッケージやギフトラッピングなど、大変こだわりを持って制作いたしました。 発送用のボックス、ギフト用のボックス、紙袋など、それらは再利用していただけるように作ってあります。

入り口は何でも良い。手に取った方へ、無意識にこのマインドが伝わりますように。一期一会の縁と、物がつなぐ明日への価値を信じて、ウズファブリックのものづくりは続いて行きます。