Vol.8

UZ Fabricの個性はやっぱりテキスタイルそのもの
柄選びとその組み合わせによって、モダンさを生み出したい


■新しいアイテムとしてはポーチやバッグといった、ベーシックなアイテムも発表されていますね。ベーシックなフォルムのアイテムを作ることは、むしろ、ブランドイメージの担保が難しいようにも思うのですが。

「やっぱりそこは、柄の選びと組み合わせだと思う。作業としても、何よりそこに時間をかけるし。とにかく一番重要なのが、仕入れ。そこでどれだけ“運命の出会い”が出来るかどうか。それと、柄合わせ。いわゆる着物の常識、和のルール的なものは一切無視してるんですね。本当に感覚的に、見たときに面白いと感じることが出来る柄合わせをしてる。そこにブランドとしてのオリジナル性が生まれてるんじゃないかな」


■逆に、仕入れの時に絶対に選ばないもの、というものはあるんですか?

「“小梅ちゃん”(笑)。いわゆる、お花柄というか、古典的な和の柄――松、紅葉、梅、といったものはほとんど選ばない。選んだとしても、小さなパーツにしてからじゃないと使わない。だから、選ぶのは出来るだけモダンで、幾何学的に見えるもの。もしくは、ものすごく大柄な派手なものか、っていうものしか選んでいないと思う」


■たしかに〈Uz Fabric〉のアイテムには、パターンであったり、リズム感を感じるものが多いかもしれませんね。

「ワンピースは柄が命だからドーンと目を引くものを選ぶけど、でもそこも、いわゆる一般的にお茶会に着ていくものや、冠婚葬祭であったり季節がはっきりとわかるようなものというのは使わないんです。一般的にみて“和柄”に見えるものは選ばない」


■なるほど。つまり、今、一般的に“和柄”と言われるものの定義がとても狭い、ということでもあるわけですよね。

「そうだと思う。もっと本当はたくさんあるんですよ。和柄に見えないけど、日本で生まれた柄っていう。それが今はすごくステレオタイプ的になっているというか。いかにも海外の人が好きそうな柄が和柄、みたいな感覚というか。でもそれってほんの一部で。びっくりするくらい色々なテキスタイルのデザインがあるんですよ」