Vol.9

洗練されたデザインと、表現としてのアートそのコラボレーションを実現していきたい


■現在、オープンにできる範囲で構いませんので、今後のUZ Fabricの目指す試みや展望があれば、お教えいただけますか?

「アート的な活動は積極的にやっていきたい。ただモノを作っているブランドというより、アーティストさんとコラボレーションしたり。私自身がそういうものが好きなだけなんですけど。

UZ Fabricのロゴも海外のアート展やエキシビションからヒントを得ていたりとかするし。ブランド全体の雰囲気としてはちょっとヨーロッパ的な感じ、アートな感じを醸したいと、ずっと思ってやっていますし。だから、今はまだプロダクトとしては“普通”な部分もあるかもしれないけど、アートに関わる色々な方たち、クリエイターの皆さんと一緒に何かやっていければ、というのは将来の展望としてあります」


■もう少し詳しく訊かせてください。例えば、先ほど、小寺沢さんの「かっこいい」の定義についてお伺いした際、“洗練されたもの” “整っているもの”というキーワードが出てきたと思います。ここで興味深いのは、アートというのは美しいものであると同時に、粗いもの、洗練しきっていないものですよね。洗練されたデザインと、アートって実は真逆な意味もあるというか。

「それは簡単に言うと、自分が出来ないからですよ。憧れているから。“表現”というものに対して憧れがあるんですよね。特に私は現代アートと呼ばれるものが好きなんですが、作家さんやアーティストに詳しいわけでもないんです。海外の大きな展覧会なんかに行ったとしても、全く知らない人であっても、好きか嫌いかだけで見るし、それを見ながら『何かこんなことを表現しているのね』ってことを分からないなりに感じ取っていくのが好きなんですよね。で、憧れるわけですよ。だから、アーティストの方たちとのコラボにしても、何かそういうことの近くにいたい。ルールに縛られることのない、自由な発展をしていきたいですよね」

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